国指定天然記念物「久米の五枝のマツ」の現状について(7/29)

公開日 2025年07月29日

更新日 2025年07月29日

 国指定天然記念物「久米の五枝のマツ」の現状についてお知らせいたします。

 マツクイムシ防除については薬剤の樹幹注入、枝葉へ薬剤散布など重点的な対策を実施しておりましたが6月13日の検査において幹へのセンチュウ侵入被害が確認されました。その後、専門家、関係機関の協力を得ながら枯れ枝切除や薬剤散布等の対策を継続しておりました。

 7月中旬の状況では、枯れ枝は目立つものの、大部分に青い葉を残しておりました。しかし、7月下旬には急速に枯れが進行し、大部分の葉の変色が確認されております。枯れ枝の切除による対策は、枝先からセンチュウが感染・侵入したという想定のもとで、幹を通って他の枝へ侵入・拡大を防止するための処置でした。しかし、全体的に被害が拡大した現段階では、すでに主幹までセンチュウが侵入・拡大していることが想定されます。また、樹勢が著しく衰えたタイミングで、樹幹の切除を行うことは、複数の大きな切断面から腐朽菌や病原菌が侵入するリスクなども高いため、対策効果は低く樹勢回復も厳しいと判断しております。

 五枝のマツは長きにわたり久米島の象徴として、また貴重な文化財として親しまれてきました。地面を這うような見事な枝ぶりに成長する形質は他の琉球松には見られない唯一固有(諸説あり)のものであると考えられることから、差し迫るマツクイムシ被害リスクを考慮してクローン(株分け)苗の作成を国の研究機関に依頼しておりました。現在、活着に成功して県外の研究施設内で順調に育っています。本クローン苗の里帰り活用等につては、今後、町民の皆さまのご意見を伺いながら検討してまいりますのでご理解、ご協力をお願いいたします。

7月15日の状況

令和7年7月15日の状況

7月25日の状況

令和7年7月25日の状況

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久米島博物館
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