海洋温度差発電実証設備

公開日 2017年10月11日

更新日 2018年01月15日

海洋温度差発電実証設備

海洋温度差発電実証設備

海洋深層水の利用高度化に向けた沖縄県の発電利用実施事業

事業の概要

事業の位置づけ

沖縄21世紀ビジョン基本計画で⽰された低炭素島しょ社会の実現に向けて、海洋エネルギーの研究開発を促進し、沖縄の地域特性に合ったクリーンエネルギーの地産地消による環境負荷の低減を図ります。

事業の主な内容

  • 天候、海⽔温の変化に伴う発電量等の計測
  • 安定した出⼒を得るための技術に関する実証試験
  • 海洋深層⽔及び表層⽔のより⾼度な複合的利⽤についての検討
  • 沖縄における洋上型海洋温度差発電設備の設置の可能性の検討   など

実施⽅法

IHIプラント建設株式会社・株式会社ゼネシス・横河ソリューションサービス株式会社の3社共同企業体に委託して実施しています。

実証・検討・調査内容

  1. 発電利⽤実証試験
     天候、気温、海⽔温の変化に伴う発電量等を計測するとともに、安定した出⼒が得られる海洋温度差発電技術に関する実証試験を⾏います。
  2. 海洋温度差発電システムの確⽴
     将来の海洋温度差発電設備の実⽤化に向けて、発電に係る費⽤の低減、洋上型海洋温度差発電設備の設置の可能性の検討しています。
  3. 海洋深層⽔の複合的利⽤システムの確⽴
     海洋温度差発電に利⽤した後の海洋深層⽔の利⽤の可能性及び⽅法を調査・検討します。

海洋温度差発電実証設備

海洋温度差発電の原理

海洋温度差発電は、太陽からの熱エネルギーにより温められた表層海⽔と海洋を循環する冷たい深層海⽔との温度差をタービン発電機により電⼒に変換する、再⽣可能エネルギーによる発電のひとつです。低い温度域を利⽤するため、タービンを回す作動流体として、沸点の低い媒体(アンモニアや代替フロン)が⽤いられます。

海洋温度差発電実証設備

実証設備の構成

海洋温度差発電実証設備

深層海⽔の複合利⽤

汲み上げた深層海⽔は、発電に利⽤した後も⽔質は変わらず⽔温も10〜12℃程度と低温であるため、この冷熱を⽔産業、農業、空調等に複合利⽤することができます。
さらに深層海⽔は清浄で栄養塩を多く含む特徴があるため、これを利⽤した産業の創出も期待できます。

海洋温度差発電実証設備

海洋温度差発電Q&A

Q:海洋温度差発電の特徴は?

  • A: 表層海⽔も深層海⽔も、⽔温が急激に変わらないため、発電出⼒が安定していて、発電量の予測も容易であることが特徴です。また、汲み上げた深層海⽔を⾊々な⽤途に複合利⽤できることも、海洋温度差発電ならではの効果です。

Q:海洋温度差発電の歴史は?

  • A: 1881年にフランスの物理学者ジャック=アルセーヌ・ダルソンバールが提唱したのが始まりとされています。その後、断続的に開発が続けられてきましたが、近年の再⽣可能エネルギーへの期待の⾼まりを受けて、⽇本のほか⽶国、フランス、中国などで開発が盛んに⾏われるようになっています。

Q:海洋温度差発電が可能な地域は?

  • A: 現在の技術では、表層海⽔と深層海⽔との温度差が年間平均で20℃以上ある亜熱帯、熱帯地域に適⽤可能とされています。⽇本では、沖縄周辺の他、⼩笠原諸島や⿊潮流域がその条件に該当します。

Q:発電のポテンシャルは?

  • A: ⽇本における導⼊ポテンシャルは、離岸距離30km以内では5,952MW(メガワット)、離岸距離制限なしでは、173,569MWと算定されています(いずれも、表層と深層の温度差が20℃以上となる地域で、海洋環境への影響が無視できるほど⼩さくなる取⽔量の場合)。うち沖縄では、離岸距離30km以内で2,797MW、離岸距離制限なしでは、70,992MW … 現在の沖縄の発電設備容量はおよそ2,000MWですので、それを全てカバーするだけのポテンシャルを持っています。(数値出典:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 「海洋エネルギーポテンシャルの把握に係る業務」報告書, 平成23年3⽉)

Q:商⽤化時の発電コストは?

  • A: 海洋エネルギー資源利⽤推進機構(OEA-J)海洋温度差発電分科会によれば、出⼒10,000kW級で20円/kWh前後、出⼒100,000kW級で10円/kWhと算定されています。

パンフレットダウンロード

海洋温度差発電実証設備[PDF:1MB]

お問い合わせ

総務課
住所:〒901-3193 沖縄県島尻郡久米島町字比嘉2870番地 (久米島町役場 2階)
TEL:098-985-7121
FAX:098-985-7080

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